アップル、「サムスンGalaxy Tabは iPadの真似ではありませんでした」と自社サイトや新聞で宣言
http://m.japanese.engadget.com/2012/10/26/galaxy-tab-ipad/

世界を舞台にした壮大なサーガと化しつつあるアップル vs サムスン抗争に、また味わい深いエピソードが刻まれました。アップルは英国での判決に従い、公式サイト apple.com/uk/ や主要紙に「サムスンGalaxy Tab はアップルの意匠権を侵害していませんでした」と認める内容の文書を公開しています。というべきか、させられています。
黒板に「もうしません」と100回書かされる子どものような境遇ですが、発端はサムスンGALAXY Tab がアップルの意匠権を侵害しているとして英国で訴訟をおこしたこと。アップルとサムスンは各国で同じような訴訟を繰り広げていますが、英国では確かに類似は認められるものの、側面や背面、前面ロゴなど大きく違う箇所もあり、少なくともアップルが問題とした特定の登録意匠 (registered design) については侵害とはいえないという判断が下りました。
判事のひとりの「似ているけれどアップルほどクールではないし、突き詰めたシンプルさもない」という身も蓋もないコメントが話題になったのは記憶にあたらしいところです。
アップルは当然ながら控訴したものの、控訴審でも改めて一審の判断を認める判決が下りました。その判決に含まれていたのが、アップルはサムスンに与えた悪評を払拭するため、裁判の結果と判決へのリンクを含む文章を主要新聞や雑誌、および自社サイトのトップページから分かる場所に掲載するべしという命令です。
とはいえ「反省文」の体裁や内容についての要求はさほど厳しくなく、タイトルは一見なんなのか分からない「Samsung / Apple UK judgment」のみ、リンクはトップページのフッタにきわめてさり気なく追加されています。
中身についても、本題は冒頭で「2012年7月9日、イングランド・ウェールズ高等法院は、サムスンのタブレット Galaxy Tab 10.1, Tab 8.9 and Tab 7.7 はアップルの登録意匠 No. 0000181607-0001.を侵害していないとの判断を下しました。全文はこちら」と簡潔に済ませるのみ。
残りの大部分は、「サムスンのタブレットはアップルほどクールではない」をはじめ、アップルのデザインのシンプルさと好印象を語る判事コメントの引用や、ドイツなど別の地域ではまた異なる判決が下っていること、米国では意匠やほかの特許を含めほぼ全面的にアップルの主張が認められ、サムスンに膨大な賠償金支払いが命ぜられた、などなど、あくまで不本意であり正しいのはこちら、との印象を与える名人芸的な作文に仕上がっています。
アップルにとっては屈辱的なできごとに違いありませんが、とはいえ今回の判決で扱われたのはあくまで特定の registered design についてのみ。ドイツでの判決が英国での控訴審を覆さなかったように、これで世界各国で続く訴訟の趨勢がひっくり返る、というわけでもありません。サーガはまだまだ続きます。
http://m.japanese.engadget.com/2012/10/26/galaxy-tab-ipad/

世界を舞台にした壮大なサーガと化しつつあるアップル vs サムスン抗争に、また味わい深いエピソードが刻まれました。アップルは英国での判決に従い、公式サイト apple.com/uk/ や主要紙に「サムスンGalaxy Tab はアップルの意匠権を侵害していませんでした」と認める内容の文書を公開しています。というべきか、させられています。
黒板に「もうしません」と100回書かされる子どものような境遇ですが、発端はサムスンGALAXY Tab がアップルの意匠権を侵害しているとして英国で訴訟をおこしたこと。アップルとサムスンは各国で同じような訴訟を繰り広げていますが、英国では確かに類似は認められるものの、側面や背面、前面ロゴなど大きく違う箇所もあり、少なくともアップルが問題とした特定の登録意匠 (registered design) については侵害とはいえないという判断が下りました。
判事のひとりの「似ているけれどアップルほどクールではないし、突き詰めたシンプルさもない」という身も蓋もないコメントが話題になったのは記憶にあたらしいところです。
アップルは当然ながら控訴したものの、控訴審でも改めて一審の判断を認める判決が下りました。その判決に含まれていたのが、アップルはサムスンに与えた悪評を払拭するため、裁判の結果と判決へのリンクを含む文章を主要新聞や雑誌、および自社サイトのトップページから分かる場所に掲載するべしという命令です。
とはいえ「反省文」の体裁や内容についての要求はさほど厳しくなく、タイトルは一見なんなのか分からない「Samsung / Apple UK judgment」のみ、リンクはトップページのフッタにきわめてさり気なく追加されています。
中身についても、本題は冒頭で「2012年7月9日、イングランド・ウェールズ高等法院は、サムスンのタブレット Galaxy Tab 10.1, Tab 8.9 and Tab 7.7 はアップルの登録意匠 No. 0000181607-0001.を侵害していないとの判断を下しました。全文はこちら」と簡潔に済ませるのみ。
残りの大部分は、「サムスンのタブレットはアップルほどクールではない」をはじめ、アップルのデザインのシンプルさと好印象を語る判事コメントの引用や、ドイツなど別の地域ではまた異なる判決が下っていること、米国では意匠やほかの特許を含めほぼ全面的にアップルの主張が認められ、サムスンに膨大な賠償金支払いが命ぜられた、などなど、あくまで不本意であり正しいのはこちら、との印象を与える名人芸的な作文に仕上がっています。
アップルにとっては屈辱的なできごとに違いありませんが、とはいえ今回の判決で扱われたのはあくまで特定の registered design についてのみ。ドイツでの判決が英国での控訴審を覆さなかったように、これで世界各国で続く訴訟の趨勢がひっくり返る、というわけでもありません。サーガはまだまだ続きます。
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